【小・中学理科】地震の計算問題が難しい!誰でもできる解き方と解説!
こんにちは!室長の谷です。
今回は、中学生の理科の中でも多くの中学生が苦手としている【地震】の計算問題を解説したいと思います。なぜ、地震について扱うかというと、結論、都立入試によく出てくるからです。1年生の範囲なので、1年生と3年生は確実にマスターしておきたい単元なのです。
中学生受験でも出る範囲ですので、小学生の学生さんでも分かるように解説してきます!この地震の問題を解くためには、基本的な用語の確認と小学生の範囲の速さの計算を覚える必要があります。ただ、基本的な用語の数は多くありませんし、速さの計算も公式さえわかれば当てはめるだけです!
今回は丁寧に基本的な用語の情報からおさらいしていきますので、ぜひチェックしてみてください!!
地学範囲の地震の問題を解くには
基本的な知識のおさらい
まずは、基本的な知識のおさらいです!関係してくる言葉の情報はそこまで多くありませんのでサクッとみていきましょう!
〇そもそもの地震に関する知識
■震源
地震が発生した場所
■震央
震源の真上の地点
■震度
地震のゆれの大きさを表す。震度0から7の10段階。
■マグニチュード
エネルギーの大きさ(地震の規模)を表す。マグニチュードがおおきいほど大きな揺れが伝わる範囲が広くなる。また意外と忘れがちなのは、マグニチュードの値が1大きくなるとエネルギーは30倍、2大きくなるとエネルギーは1000倍になります。
〇地震のゆれの記録に関する知識
■初期微動
初めの小刻みなゆれ。いきなり大きな揺れが来るわけではなく、小さな揺れから地震ってスタートしますよね!この時間が短いほど震源からの距離は近くになります。
■主要動
初期微動の後に起こる大きな揺れ。いわゆる大きな被害をもたらすのは主要動です。震度はこの主要動の大きさを表すことがほとんどです。
■初期微動継続時間
初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間
〇地震の波に関する知識
■P波
初期微動を伝える波。P波が到着すると小さな揺れが発生します。
■S波
主要動を伝える波。S波が到着すると大きな揺れが発生します。
原則、地震が発生すると、震源ではP波(初期微動)とS波(主要動)が同時に発生しますが、P波の方がS波より早いスピードで進んでいくため、先にP波が到着します。このP波とS波の到着時間の違いが初期微動継続時間を生み出しています。
地震の問題を解くうえで必要な知識は、以上の単語のみです。特に大切なのは、初期微動(P波)と主要動(S)の意味とこれによって強い地震と弱い地震が発生していて、発生までに時間差が生まれるとのことです。
◆おまけの基礎知識
地震の計算には、小学生で習った速さの計算が必須です。こちらも合わせて、もう一度復習してみましょう!
〇速さの計算(小学校の範囲)
速さ = 距離 ÷ 時間
速さの問題)
①3時間に315km進む自動車の速さは時速何kmでしょうか?
②時速20kmで進む自転車で7時間乗ったら何km進めるでしょうか?
③72km先の目的地に速さ8kmで歩いていくと何時間かかりますか?
どうでしょうか?上の表を使ってもらえれば簡単に解けますので、サクッと解説していきます!
①この問題は時速を聞かれているので、速さを出したい問題です。そこで、上の表の速さの部分を指で隠すと、【距離 ÷ 時間】が残ります。
つまり距離 315km ÷ 時間 3時間 = 速さ105kmとなります。
②聞かれているのは何キロ進めるのか、つまり距離を聞かれています。そこで距離を指で隠すと、【速さ × 時間】が残ります。
つまり 速さ 20km × 7時間 = 140kmとなります。
③聞かれているのは何時間かかるかということなので、時間を聞かれています。そこで時間を隠すと、【距離 ÷ 速さ】が残ります。
つまり 距離72km ÷ 速さ8km = 9時間
基本用語の確認問題
それでは先ほどの基本用語の問題を実際に確認してみましょう!言葉を覚えても問題形式になると解けなくなろことはあるあるです!
1⃣地震に関しての問題
① 地震が発生した場所を何というか。
② ①の真上の地表の地点を何というか。
③ 地震によるゆれのうち、初めの小さなゆれを何というか。
④ 地震によるゆれをうち、③の後に続く大きなゆれを何というか。
⑤ 地震で、初めの小さなゆれが続く時間(P波とS波の到着時間の差)を何というか。
⑥ 地震による大きさを、0~7の10段階(5と6は弱と強の2段階)で表したものを何というか。
⑦地震の規模を表す値を何というか。
こちらの答えも一番最後に載せておきます!
2⃣地震の波の速さに関しての問題
■ 10時15分3秒に地表付近で地震が発生した。震源からの距離が120kmの地点Aでは、初期微動の始まった時刻は10時15分18秒、主要動の始まった時刻は10時15分33秒であった。これについて、つぎの問いに答えなさい。
⑴ 地点Aでの初期微動継続時間は何秒か。
[ 秒]
⑵P波の速さは何km/s か。 [ km/s]
⑶震源からの距離が160kmの地点Bで、初期微動が始まるのは何時何分何秒か。
[ ]
では早速1つづつ解説いきましょう!
解説)
⑴ 答え [ 33秒 ]
初期微動継続時間とは、「初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間」のことでしたね!ということは、初期微動が始まった時刻が10時15分18秒で主要動が始まったのが、10時15分33秒だったので、
主要動: 10時15分33秒 - 初期微動: 10時15分18秒 = 33秒が答えになります!
⑵ 答え [ 8km/s ]
P波は初期微動を伝える波のことで今回はそんなP波の速さを聞かれています。速さを出す公式は、【距離 ÷ 時間】でしたね!
そこで、距離は、震源と地点Aが120kmとあるので、120km。時間は、地震発生時刻が10時15分3秒で、地点AにP波が到達したのが初期微動が始まった時刻なので、10時15分18秒。つまり、震源から地点Aまでを10時15分18秒 - 10時15分3秒の15秒かかっています。
あとは【距離 ÷ 時間】なので 120km ÷ 15秒 = 8km/s が答えになります。
⑶ 答え [ 20秒 ]
この問題は時間を聞かれているので、今度は【距離 ÷ 速さ】になります。距離は問題にあるように160km、速さ8km/sなので160km ÷ 8km/s = 20秒になります。
実践問題編
それでは最後に定期テストや都立入試に出てくるレベルの問題を解いていきましょう!
1⃣ 地震の波についての問題
ある地震(地震Aとする)のゆれを、震源からの距離が異なる地点 X, Y, Zで観測した。下の表は、観察結果の一部をまとめたものである。これについて、次の問いに答えなさい。
地点 | X | Y | Z |
震源からの距離 | 90km | 150km | |
初期微動が始まった時刻 | 10時51分38秒 | 10時51分42秒 | 10時51秒46秒 |
主要動が始まった時刻 | 10時51秒50秒 | 10時51分58秒 |
⑴ P波伝わった速さは何km/sか。[ km/s]
⑵ 地点 X の初期微動継続時間は何秒か。[ 秒]
⑶ 地点 Y の震源からの距離は何kmか。[ km]
⑷ 地点 Z で主要動が始まったの時刻は何時何分何秒か。[ ]
⑸ 下の図は、この地域の地形図を表したものである。この地震の震央と考えられる点を、ア~エから選び、記号で答えよ。
⑹ 別の日に、地震Aよりもマグニチュードが大きい地震Bが発生したが、地点Xでの震度は地震Aと変わらなかった。マグニチュードが大きいにもかかわらず、地震Aと地震Bにより震度が同じであったのはなぜか。その理由を「震源からの距離」という語句を用いて、簡単に書け。ただし地下のつくりは均一であるとする。
[ ]
少し問題が難しくなりましたね!さあ解説していきましょう!!
⑴ 答え[7.5km/s]
この問題も先ほどと同様でP波の速さを求める問題ですが、1点違うところがあります。それは、それぞれの地点での初期微動の開始時間は書いてありますが、地震発生の時刻が問題文には書いていません。つまり、単純に【距離÷時間】でこのままでは計算できません。そこでどうするかというと、地点間(例えば地点Xと地点Z)の距離とP波の到着時間の差で計算します。
【距離】
まずは、地点X(震源から90km)と地点Z(震源から150km)の距離の差を計算します。これはもちろん150km - 90km で60kmになります。これで距離は分かりました。
【時間】
次は時間です。地点Xで初期微動が始まった時刻は10時51分38秒で、地点Zで初期微動が始まった時刻は10時51分46秒です。つまりこの2点間をP波が移動したのにかかった時間は、10時51分46秒 - 10時51分38秒 = 8秒です。よって時間は8秒かかっています。
あとは計算するだけです!
60km(地点XとZ間の距離) ÷ 8秒 (地点XとZ間の移動時間)= 7.5秒となります。
⑵ 答え[12秒]
この問題は先ほどの基本用語の確認問題とレベルは同じです。主要動が始まったのは、10時51秒50秒、初期微動が始まったが10時51分38秒なのでひき算すると12秒というのが答えになります。
⑶ 答え[120km/s]
地点Yの震源からの距離を求める問題は、距離を出さなくてはいけないので【速さ × 時間】を使います。この場合、分かっている速さは⑴で出したP波の速さ7.5km/sです。そして時間ですが、地震の発生時間が分かっていれば初期微動が始まった時間との差で計算できるのですが、こちらの問題には地震発生時間がありません。
そこで、X地点の情報を使います。X地点とY地点がどれだけ距離が離れているのかが分かれば、震源とX地点との距離90kmをたし算すれば答えが出ます。
地点 | X | Y | Z |
震源からの距離 | 90km | 150km | |
初期微動が始まった時刻 | 10時51分38秒 | 10時51分42秒 | 10時51秒46秒 |
主要動が始まった時刻 | 10時51秒50秒 | 10時51分58秒 |
X地点の初期微動が始まった時刻は10時51分38秒、Y地点の初期微動が始まった時刻は10時51分42秒でその差は4秒です。つまり、P波の速さ7.5km/s × 4秒 = 30kmとでます。つまり、X地点とY地点は30km離れています。
ゆえに90km+30km=120kmとでます。
⑷ 答え[10時52分06秒]
この問題は地点Zで主要動が始まった時刻を出さないといけないため、時間を出すためには【距離÷速さ】になります。順番に必要な情報を集めていきましょう。
まずは距離ですが、こちらはY地点とZ地点と差を使いましょう。⑶の問題でY地点は震源から120km離れていると分かったのでY地点とZ地点との差は30kmです。
そして次は速さです。主要動の速さは、まだ出していないので出していきましょう。この問題もX地点とY地点の差を使いましょう。X地点とY地点の距離の差は30kmで主要動の到着時間の差は、8秒です。
つまり、主要動の速さは30km ÷ 8秒= 3.75km/sと分かります。これで準備は完了です【距離÷速さ】をすると
30km(X地点とZ地点の差) ÷ 3.75km/s(主要動の速さ) = 8秒となり、答えはY地点の主要動が始まった時刻から8秒をたし算した10時52分06秒となります。
⑸ 答え[ イ ]
この問題では、X, Y, Z地点の位置関係に注目します。震源からの距離が遠い順番は表を見るとX(90km) → Y(120km) → Z(150km)の順番です。なので、この順番通りに遠くなる震央はイになります。
⑹ 答え[ 震源からの距離が、地震Aより地震Bの方が遠かったから。 ]
マグニチュードは地震そのもののエネルギーの大きさを表しますが、いくらエネルギーの大きな地震が来ても、同じ場所であれば震源からの距離が離れれば離れるほど震度は小さくなっていきます。
1⃣地震に関しての問題 [解答]
① 地震が発生した場所を何というか。[震源]
② ①の真上の地表の地点を何というか。[震央]
③ 地震によるゆれのうち、初めの小さなゆれを何というか。[初期微動]
④ 地震によるゆれをうち、③の後に続く大きなゆれを何というか。[主要動]
⑤ 地震で、初めの小さなゆれが続く時間(P波とS波の到着時間の差)を何というか。[初期微動継続時間]
⑥ 地震による大きさを、0~7の10段階(5と6は弱と強の2段階)で表したものを何というか。[震度]
⑦地震の規模を表す値を何というか。[マグニチュード]
長くなりましたが、これですべての解説が終わりました!どうでしたでしょうか。一見、問題が難しく感じる地震の問題は苦手意識をもつ学生は多いです。もし、もっと問題を解いてマスターしたい場合は一度相談にお越しください!
その他の範囲でも個別指導なので丁寧に1つ1つ苦手を克服し、ひとり1人にあった授業を致しますので、ご連絡お待ちしております!!
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